デニッシュおじさん

サッカー大好きな大学生の話

"幸せ"とは。

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1年以上受け持っていた家庭教師のアルバイトが学期の区切りで終了し、電車に揺られることおよそ20分。一人暮らしの最寄駅に着く。改札も1つ、駅員も1人の田舎の小さな駅。周辺に大学が2校あることに加え、高校、小学校があるためか、毎回降りる客は少なくない。そんなごく普通の、何の洒落っ気もない場所で幸せなムードを感じることができたのはいつぶりだろう。

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財布に入れた定期を改札にかざし、駅の外に出ると同時にそれをまたポケットにしまう。その時、朝から勉強に仕事で疲れて下を向いていた視野の右端で動く何かが視線を奪う。50代だろうか子育ては確実に終わっているであろう婦人が、まるで女子高生のように誰かに手を振っているのである。そのまま彼女を視線で追いかけると、待ち合わせの相手は彼女の夫だと気づく。仕事終わりの夫と、デパートで買い物をしていた妻が、最近購入した慣れないスマホで「○○時に☆☆駅に到着します。」「分かった。改札で待ってる。」とでも連絡を取り合ったのだろうか。

2人で会うとさっそく同じ方向に歩き出す。もう行く場所は決まっているのか。いや、ただ自宅に帰るだけなのかなど、ついつい考える。そんな取るに足らないようなことを想像しながら、5歩先を行く老夫婦を見てこんな感情を抱いた。

「幸せそうでいいなぁ。。」

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垢抜けていない学生カップルが歩いているのではない。新婚ホヤホヤの夫婦が目に写っているのでもない。50代の老夫婦が、ただ横に並んで楽しそうに話しながら歩いているだけである。

それを見てなぜか自分も温かい気持ちになり、微笑んでしまった。暗い夜道を男子大学生が一人でにやけているのである。今考えれば大変おかしな話だ。

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それでもごく普通の生活の中の幸せを見つけ出せた気がした。お金がたくさんあって、やりたいことをたくさんやって、行きたいところに旅行して、遊んで、飲んで、、、、。そんな幸せだけではないな、と。

ありふれた毎日の生活の中で幸せを感じていけたらどれだけ素晴らしい人生になるだろう。

"幸せ"とは。

答えはない。

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